【ボディ・マス・インデックス BMI : Body Mass Index】

 体重と身長の関係から算出した、ヒトの肥満度を表す指数です。
ケトレー指数(Quetlet index)と呼ばれることもあります。

BMI=体重(kg)÷ 身長(m)÷ 身長(m)

 日本肥満学会は、BMIが22の場合を標準体重、BMIが25以上の場合を肥満、BMIが18.5未満である場合を低体重としています。
 BMIの計算式は世界共通ですが、肥満の判定基準については国によって異なり、WHOはBMIが25以上の場合を標準以上(overweight)、BMIが30以上の場合を肥満(obese)としています。







【ボルグの自覚的運動強度(RPE)】

 運動強度は運動実践者の主観(運動時の呼吸苦の変化など)と相関があります。
 ボルグの自覚的運動強度を表現する指数は、運動強度を運動実践者の主観によってとらえようとするもので、運動実践者の主観と心拍数の関係を表します。 ボルグの自覚的運動強度の指数におけるATレベルは、13(ややきつい)に相当します。

注)心疾患をもつ方が服薬されている場合は、指数と心拍数が異なる場合があり、注意が必要です。





【運動時の目標心拍数】

年齢から運動時の目標心拍数を算出する計算式
目標心拍数 ={(220 − 年齢)− 安静時心拍数}×運動強度+安静時心拍数





【体力トレーニングの原則】

◆負荷(オーバーロード)の原則

 体力向上のため、トレーニングに用いる強度、時間、頻度の3条件の負荷を、トレーニング効果が表れる日常生活の強度以上の水準に設定してトレーニングを行う必要があるということです。
 ここでいう強さとは、ボルグの自覚的運動強度(RPE)に準じたもので、オリンピックなどを目指す競技者の強度ではなく、普段使っている筋力を少し上回る強さのことをいいます。
◆漸進性(ぜんしんせい)の原則

 トレーニングの効果が目標とする水準以上に達したとき、適正な処方に従ってトレーニングの負荷を徐々に増やしていくことです。
 負荷をかけた運動によって向上していく筋力に合わせて徐々に負荷を高めていくことや、技術的な内容を単純からより複雑に、簡単なものからより困難なものへと、徐々に難易度を上げていくことをいいます。
◆反復性の原則

 適度な間隔で運動を繰り返して行い、継続することによってトレーニングの効果を発揮できるようになることです。
◆特異性の原則

 運動によって発揮される効果は、その運動が負荷を与える筋力や能力だけに影響することです。
言い換えれば、使わない部位に運動の効果は起こらないということです。
◆意識性の原則

 トレーニングの内容や方法と期待される身体の変化を理解し、どのような意図でトレーニングを行っているのかを自覚することです。
◆個別性の原則

 性別、年齢、体力、スポーツ歴などを考慮し、トレーニングの内容を各個人の身体能力や可能性に応じて構成し、実施することです。
◆全面性の原則

 全身が調和的に発達するように、多種目のトレーニングを実施することです。
◆継続性の原則

 運動の効果を上げるために、運動を続ける必要があるということです。
「継続は力なり」と言われる所以です。
◆可逆性の原則

 運動で向上した筋力は、運動を中止すると運動を開始する前の水準に戻ることをいいます。
  鍛えた筋肉も、使わなければ衰えてしまいます。
◆超回復の原則

 運動をすると疲労しますが、休養をとっている間に運動前の水準よりも筋力が高くなることをいいます。



【メッツ( MET: metabolic equivalent )】

 メッツ(MET)とは、身体活動の強度を表す単位のことです。
当該身体活動における代謝量を、座位安静時代謝量(酸素消費量3.5 ml/kg/分)で除した数値を用います。









【メッツ(MET)・時】

 メッツ(MET)・時とは、身体活動を定量化するための単位のことです。
身体活動の強度を表すメッツ(MET)に身体活動の実施時間(時)を掛けた値を用います。



【最大酸素摂取量】

 最大酸素摂取量は、個人が摂取可能な単位時間あたりの酸素摂取量( L/分、あるいはml/kg/分 )の最大値で表し、持久力の指標として用います。
 最大酸素摂取量の指標には、酸素搬送能力(O2max)などの身体資源(physical resource)を用いる方法、最大下運動負荷試験(submaximal exercise test)の最大心拍数を用いる方法、一定時間内に歩行した距離やトレッドミル走の持久時間による作業成績(performance)を用いる方法などがあります。
 酸素摂取水準(%O2max)は一定速度での相対的運動強度を示す指標で、最大酸素摂取量(O2max)に対する相対強度を表します。
どの方法も、使用機器や測定方法が定められていますので、医師の診断やスポーツ施設などにおいて測定されるとよいでしょう。



【無酸素性作業閾値( AT:Anaerobic Threshold )】

 無酸素性作業閾値( AT )とは、有酸素運動から無酸素運動に切り替わる転換点のことで、無酸素性代謝閾値、嫌気性代謝閾値ともいいます。
 無酸素性作業閾値( AT )は、トレッドミルや呼気ガス分析機を用いる換気性作業閾値(VT:Ventilation Threshold )、運動中に採取した血液の乳酸値を用いる乳酸性作業閾値(LT:Lactate Threshold )、心拍数(HRT:Heart Rate Threshold)を用いて求める方法があります。

 無酸素性作業閾値( AT )は一般的に加齢に伴って低下しますが個人によって異なり、適度な運動を継続することによって無酸素性作業閾値( AT )をある程度のレベルにまで上昇させることが可能です。

【1】  換気性作業閾値は、換気量または呼気中の二酸化炭素量の増加を調べて無酸素性作業閾値( AT )を表したものです。

◆ 運動開始から有酸素運動まで
1)  運動強度を漸増していくとやがて体内において消費する酸素量に供給が追いつかなくなり、運動を継続するために必要なエネルギーが不足します。
そこで、筋肉中に蓄えられたグリコーゲンを乳酸に分解することによってエネルギーを作って補います。これを乳酸性機構といいます。

2)  次に、乳酸性機構によって生成された乳酸を体外に排出するために必要な酸素をより多く取り込もうとして吸気量より呼気量が増加します。
この呼気量を調べて閾値を算出したものが換気性作業閾値です。

3)  換気量の増加に伴って乳酸の産生も増加します。
不要な乳酸を分解する過程で生じた二酸化炭素は、呼気中に排出されます。
この二酸化炭素量を調べて閾値を算出したものが乳酸性作業閾値です。

【2】  乳酸性作業閾値は、血液中の乳酸の増加量から無酸素性作業閾値( AT )を求めたものです。

◆ 無酸素性作業閾値を越えて運動強度を漸増し続けた場合
 (注:健康増進のための運動ではありません)

4)  無酸素性作業閾値( AT )を超えて運動強度を漸増していくと、血中乳酸濃度が急激に上昇し始めます。
このポイントをOBLA(Onset of Blood Lactate Accumulation)といい、急激に上昇し始めるときの血中乳酸濃度は、約4 ( mmol/L )です。

5)  OBLAのポイントを過ぎてなお運動を継続すると、さらに血中乳酸濃度が上昇し、やがて運動の継続が不可能となるエンド・ポイントを迎えます。

注)
 このような強度の高い運動は、場合によって生命の危険が伴います。
運動の開始から終了までの説明としてお考えいただき、一般的な運動ではないことをご承知おきください。

健康増進のための運動
 無酸素性作業閾値( AT )は、日常生活における運動強度の数値として大切です。
私たちの日常生活における運動強度の指標は「歩く」レベルにあり、無酸素性作業閾値は「歩く」レベルの負荷より少し運動強度が高い「速歩」に相当します。
この無酸素性作業閾値の付近( ATレベル )における運動は、酸素が十分に供給された状況で行われる純粋な有酸素運動で、身体への負担が少なく、安全に運動を行うことができます。
 無酸素性作業閾値( AT )の運動強度をボルグの自覚的運動強度でとらえると<ややきつい>レベルとなり、健常成人の心拍数(HR:Heart Rate)に換算すると1分間におよそ130拍前後となります。
 無酸素性作業閾値( AT )における運動は、健常者にとって運動能力の獲得だけでなく、脂肪代謝の充進、心肺機能の向上にも寄与し、糖尿病、高血圧症、脂質異常症、肥満症などの生活習慣病に対しても有効であることがわかっています。

 また、OBLAレベルまでの運動強度は有酸素運動の範囲内にあり、若年者から中年までの健常者が安全に運動を行うことができます。
健康増進のための運動では、無酸素性作業閾値( AT )付近の運動強度を守ることをお勧めします。